つじあやの さん

校友の誇り

「子守歌」をつくりたい

シンガーソングライター

つじあやの さん

(2000年 文学部卒業)

フォークソング認定同好会 ”黄色いトマト“ は1、2年生のときのみでした。ユニット「うららか」で京都市内のライブハウスに出演するようになり、サークルでの活動ができなくなったからです。ウクレレにしたのは、私の小さな手では、ギターは無理だったから(笑)。

文学部の史学科では、木田知生先生(現・龍谷ミュージアム館長)のゼミで東洋史を学び、卒論はアジア映画、中でも台湾の侯孝賢(ホウ シャオ シェン)監督の作品が好きで、卒論にしていいですかと木田先生にお尋ねしたら、「いいね」と喜んでくださいました。

学生時代といえば、保母さんのアルバイトをしましたね。学生課の掲示板に募集が出ていて、ちょうど自宅に近い浄土真宗のお寺の保育園でしたので、お手伝いさせていただきました。

アニメ映画『猫の恩返し』の主題歌を作ってくださいとの依頼があり、台本を読んでみると、主人公で女子高生の吉岡ハルさんにさまざまなことが起きるのですが、そのハルさんの背中を、ガンバレ!と押しあげるために作ったのが、『風になる』でした。

歌作りの原点ですが、曲によってそれぞれ異なりますが、基本的には高校、大学のときから変わらないのは、恋人であったり、家族であったり、大事な人を想う気持ちですね。

最近はたくさんのCMソングを作っていますが、自分なりのかかわり方から、あったかい気持ちになるとか、すごく楽しくなるとか、CMが求めているイメージに沿うように、自分の中でこなして、曲を作っています。浜辺のやどかりの映像に合わせた曲や、パナソニックエアコンのCM、京都市を紹介するPR映像の曲も手がけています。

2年前、大宮の本館講堂(重要文化財)で仏式結婚式を挙げました。司婚は ”黄トマ“ の1年先輩の小山善史さんにお願いしました。小山さんは奈良県吉野の浄土真宗のお寺の出身でしたので。また挙式にあたっては、大学の宗教部のみなさんに、大変お世話になりました。

今春、男の子を出産しまして、一時は子育てに専念していましたが、ゆるやかに音楽活動も再開していきます。

子育てをしていて、子守唄にすごく興味が湧いています。これまで私は子守唄を作ったことはありません。昔からの「ねんねんころりよ……」や、外国の子守唄が今も歌い継がれていますね。そんな子守唄を作って自分の子どもに聞かせてみたいし、みなさんにも歌ってほしいと思っています。

たとえば私と同世代のお母さんたちが、子どもが泣きやまないので困りはて、私が作った子守唄を流して泣きやませる、そんな役立ち方をする子守唄ですね。そして、子どもが大きくなったら、今度はお母さんと一緒に歌ってもらえるような作品を、出産と育児を契機に、これから作っていきたいと考えています。もちろんその底流には、仏さまの慈しみの心のようなやさしさがある、そんな歌です。

年一回のコンサートを、来年1月に東京と大阪で予定しています。一人でもたくさんの卒業生のみなさんに、お越しいただければと願っています。

私は学生時代、「黄色いトマト」という音楽サークルに入っていましたが、サークル内での活動にとどまらず、同志社大学など、他のバンドとの交流が、すごく刺激になりました。

授業に出て勉強するのは当然のことなのですが、学校から飛び出して、いろんな人と交流し、自分の知らない世界と出会う。京都という町には、いろんな文化や歴史があり、多様な学生さんが暮らしています。そういう世界に触れてみると、もっともっと学生時代が楽しくなると思います。

[校友会報85号より]

つじあやの(つじ・あやの)

京都市生まれ。2000年、文学部史学科卒業。高校時代からミニライブや作詞作曲活動を開始。龍谷大学ではフォークソング認定同好会 ”黄色いトマト“ でフォークユニットを結成し、京都のライブハウスなどで演奏。1999年、『君への気持ち』でメジャーデビュー。2002年、スタジオジブリ映画『猫の恩返し』の主題歌『風になる』が大ヒットすると共に、これまでCM、映画などに多くの楽曲を提供。2012年、つじあやの作品集『OH!SHIGOTO Special』を発表。ウクレレをフィーチャーした独自の音楽性と、やわらかな歌声で安らぎを与えている。
2009年、龍谷奨励賞を受賞。

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